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Moon Child

PBWシルバーレイン内に生息中、暴走弾丸娘ソーマ・アビルーパの戯言保存場所です。 シルバーレインという名前や、PBWという言葉に心当たりのない方、ソーマのお知り合いでない方はお戻り頂いた方が身のためかと。
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2024/04/26
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2010/06/13
17:07
もう其処まで


エアライダーを始めとした能力者を集め、人体実験や裏の仕事を行ってきた組織。
かつてソーマが壊滅させたその組織には、僅かながらの生き残りが居た。
彼らは、その日たまたま任務についていた為組織を留守にしていた戦士を集め、
反撃の期を伺っていた。

(ソーマの裏話です。ダークな内容となっておりますので、
あまり深くまで知りたくない方、そういった企画がお嫌いな方は
先に進まずお戻りください。)



「で、ソイツが居るのが銀誓館だっつーのは判ったケドも」
どうやら能力者――俺らみたいな力を持ったヤツラが沢山いるみてぇだなぁ?
愉快そうに笑うと『彼』は電柱の上に立ち上がり、遠くに見える学園を眺めた。
「めんどくせぇ事になりそうだなぁ。――変な場所に潜り込みやがって」
「そだな、でも何人かで囲めば簡単にやれるだろ」
「エアライダーだって話だよな。まぁ、両足折っちまえば使い物にはならねぇか」
「だなー、ヨユーっしょ、俺らならv」
「あー、イイワ。俺だけで殺れっから、お前らは遊んでてv」
髪に絡まる風に気持ちよさそうに目を細めると、『彼』は電柱から飛び降りた。


「マズこの学園に編入して情報収集ってトコか」
幸い自分も能力者らしきチカラを持っているし、入り込むのは容易いだろう。
組織では組織員同士の必要以上の関わりを持たせない為に、
パートナー以外との接触は禁じられる。
そのため、呼称以外のプロフィールは判らない。
壊滅させられた組織の跡地からも、画像などは出てこなかった。
「まぁ、見つかんだろ」
見ればきっと判る。人の血に身を染めたもの同士、判る匂いがある。

 

思った以上に、女を見つけることは容易かった。
偽名を使ってるとばかり思っていたが、組織に居た頃の呼称をそのまま使っているなんて、間抜けにも程がある。見つけて欲しいんかね、コイツ。
それとも本気で全滅させたと思ってるのか?
自分ならそんな真似はしない。思いつつ、見つけた女の様子を伺う。
長い金色の髪、青い瞳。外見上ならただの外人にしか見えないソレは、
噂では血統配合研究種からの出生、だと聞いた。
自分たちのように投薬をされず、親から引き継いだ色素を変化させることなく育った。
(ふん…要するに、下等ってコトだよなぁ。)
能力を伸ばすための投薬も手術もなく、天性の才のみで生き抜いてきた。
そのことは、『俺』の気持ちを僅かばかりざわめかせたけれど――気に入らない相手だからこそ、思う存分甚振ることが出来るわけで。
「たーのしそうに笑ってやんの」
桜の舞う地で仲間たちと笑う彼女の笑顔は、任務遂行の為にインプットされた笑顔ではなく。
恐らくはココに来て、手に入れたモノ。
「感情なんてフヌケたモノを持つようになっちゃー…、ダメよね」
感情に流されることで失敗する任務はいくらでもある。だからこそ、自分たちは思考、感情の制御をかけられて育てられてきた。
つまり、
「あの『馨』とか言うヤツと同じ手が使えるってコトだぁな」
『なぁに、それぇ…。アタシが帰らなかったらぁ、あーちゃやせーちゃに、何するつもりぃ?』
『皆に何かしたら、絶対許さなぃんだからねぇ?喉が潰れたって歌えるんだからぁ…っ』
バカな女がかつて口にした言葉を思い出す。
お前の傍に居るヤツラを、一人ずつ消す。そう言えば、感情に流されるヤツは動けない。
自由を奪って、それからゆっくり痛めつけてやればいい。
微温湯につかったテメェを呪うがいいさ。
笑顔も、仲間も、心も、お前には相応しくねぇんだよ。
何もかも忘れたようなツラして笑ってやがれ。――ぶっつぶしてやる。
明るい笑い声に包まれて笑うなんて、『俺たち』には許されねぇんだよ――。

見つめるごとに湧き上がってくるものを、『彼女』を口汚く罵るコトで蓋をして――『彼』は、その場を後にした。
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