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Moon Child

PBWシルバーレイン内に生息中、暴走弾丸娘ソーマ・アビルーパの戯言保存場所です。 シルバーレインという名前や、PBWという言葉に心当たりのない方、ソーマのお知り合いでない方はお戻り頂いた方が身のためかと。
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2017/05/29
16:36
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2010/06/20
21:20
其処まで(2)


前回に引き続き、裏話です。
読んでて不快に感じる可能性もありますので、
読まれる場合はお覚悟を。

この話が完結すると、ソーマの物語はひとまず形が出来上がります。

まだ、以前認めました裏話で書いた『写真』や『出生』は明らかにはしませんが、
彼女が向かう方向が、定まる予定。

自分がどう在りたいのか、その道を決められるのはまだ遠くかも知れなくとも。




「マジで来たんだなぁ、これだからフヌケたヤツは…」
くすくすと笑い、ソーマを見やる翡翠の双瞼は、獲物を見つけた獣の瞳に一瞬にして変化した。
「私が来たんだから、約束は守って貰うわよ。――皆に、手を出さないで」
「んー、ソレはアンタがどんだけ楽しませてくれるかだよなぁ?何も抵抗しないで殴られてりゃいーとか、思ってねぇ?」
「……違う、の?」
呼び出された時から覚悟していた事を否定され、ソーマは疑問の声を投げ返した。
「ンな一般人コロスよーなマネしても面白くねぇだろ」
笑いつつ、何事か呟く。
『イグニッション…』
両手に現れた獣爪を見て、能力者として銀誓館に所属していることが判った。
「チカラのあるもの同士は、ヤッパ本気で殺りあわねぇとなぁ。――デショ?」
飄々とした語り口調、余裕のある表情、それは本当に戦うのを楽しんでいるかのようで。
ソーマは、かつての自分を思い出した。
「貴方、まさか――」
一つの結論に結びついて、瞳を見開く。
「イマゴロ気づいたの?あったま悪すぎだし」
そう、アンタと同じ組織に居たんだ。
『彼』の言葉を聴いて、ソーマは己の迂闊さに漸く気づいた。
「あの時は……作戦中だった?」
「アタリ。一応考えるアタマはあんじゃん。だから、自分がやらかしたコトを反省して――死んでくんねぇ?……センパイ」
瞬間、身体を低く構え繰り出された衝撃波に、ソーマは咄嗟に身を翻す。
「く…っ」
生存本能でイグニッションされた我が身から、本気で戦わなければいけないことを悟る。
「私が貴方に勝ったら――皆はどうなる?」
「そりゃー決まってんデショ?」
くすくす、また笑う。ソーマは覚悟を決めて、息を吐いた。
「判った。――守りたければ、息の根を止めろって事、ね」
「――ヨクデキマシタ」
ドンッ!
爆風が舞い上がり辺りを包む。土煙が辺りから去った後には、表情をなくしたソーマ。
「ふぅん…、それが『音速の殺戮者』のホントーの顔ね。でもサイショからインフィニティエア?使うのは利口じゃねぇカモよ?」
「ごちゃごちゃ煩い」
言葉を聴いた時には、既にソーマは目の前に居た。大きく振り上げられた脚から三日月の軌道を描く蹴りが繰り出される。
「おおっと」
両腕をクロスすると獣爪の甲で蹴りを凌ぐ。抑えられた脚を支点にソーマは飛躍し、そのまま『彼』めがけて空から突っ込む。
手には先ほどの蹴りを防いだダメージがまだ残っている。身を捩ってソーマの落下地点から逃れると、地面には深々と穴が開いた。
「……おっかねぇ…マジでキレやがった」
自分に向かってくるソーマ。その視線はどこか虚ろで、何処を見ているかすら、判らない。
相手に攻撃ポイントを悟らせぬように、視覚は使わずに、六感で戦う。
組織の生き残りから聞いた話は真実だったと理解しないわけには、いかなかった。
連続されて繰り出される蹴り、その一撃が腹を直撃した。
「ぐ…げほっ」
「…っ」
ソーマの動きが止まる。相手にヒットした脚は、『彼』にしっかりと捕まれ、動けなくなった。
獣爪に宿る獣のオーラ、その輝きはソーマの脚めがけて炸裂した。
ボキッ、と、鈍い音が二度、三度、と響く。
「左足、ジャマだから潰しちゃった」
内臓から込み上げる血を吐き出すと、『彼』はソーマを投げ出した。
「……ぁ…ぅ……」
地面に転がるソーマはそれでも戦おうと身を起こす、おかしな方向に曲がった左足を引きずり、立ち上がる。表情は、変わらない。
「痛さまで感じなくなんのか?」
自分たちのように医術と科学を以って能力を得たならともかく、生まれ持った能力しか持たないソーマにそんな能力があるはずがない。なら、目の前のコイツはなんなんだ?
残された右足だけで翔ぶ。片足の力を失っているのに、さっきより高く、速く。
その脚は、『彼』の頭蓋に重く、強い衝撃を与えた――。
「おっもしれぇ…ゾクゾクするよ、アンタ」
髪の色より一際赤い液体を流しながら、大きく笑う。
狂気にも似たその笑いは、『彼』もスイッチが入ったことを現していた。
「感情だ笑顔だ言ってても、アンタは結局ソレを捨てなきゃ俺を倒せねぇ!」
結局俺らは『兵器』でしかねぇんだよ!笑ったような、泣いたような、大声が響く。
その声は、意識を奥底に封じ込めたソーマの精神を揺さぶった。

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